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平成15年2月12日

厚生労働省 
健康局長 殿 
医薬局長 殿 
保険局長 殿 
地方ブロック拠点病院 病院長  殿 

 

平成14年度 中央運営協議会 議題

東京HIV訴訟原告団

大阪HIV訴訟原告団



中央運営協議会においては、以下の事項を協議されたい。 
 

1.ブロック共通の議題

 

  1. 医療機関の独立行政法人への移行に伴う、政策医療としてのHIV医療の位置づけの再確認 
    平成16年度より、国立病院(特定機能病院を除く)および国立大学病院が独立行政法人へと移行することとなっている。厚生労働省には、ブロック拠点病院の多くをこれらの国立病院・国立大学病院が担っている現状から、独立行政法人化後のHIV医療体制整備についてご説明いただくとともに、HIV訴訟の和解確認書に基づく、感染被害者に対する原状回復のための政策医療としての位置付けを再確認させていただきたい。 
    この薬害HIV感染被害患者の救済医療としての位置付けに基づき、現在のHIV医療体制整備の抜本的かつ全面的な改善・拡充・予算増額を強く要望する。さらに独立行政法人化後も現在のACCおよびブロック拠点病院による医療体制の整備をつづけ、よりいっそうの体制拡充に努めることを言明されたい。

  2.  

  3.  

  4. ブロック拠点病院における人的体制整備 

    ブロック拠点病院は、上記1.1)の政策医療としてのHIV医療の位置づけの趣旨を理解するとともに、各ブロックにおけるHIV医療体制の中心となる施設として、医師、看護師、薬剤師、検査技師、カウンセラー、MSW等の医療スタッフについて、院内の理解を得つつHIV医療に専任できる体制を作るとともに、必要に応じて人的体制の拡充を図るようにしていただきたい。また、厚生労働省・文部科学省は、必要に応じ定員増やリサーチレジデントによるブロック拠点病院の人的体制の整備に努めていただきたい。

  5.  

  6.  

  7. C型肝炎治療の推進
     

    1. 感染被害者におけるC型肝炎による肝臓障害の悪化の現状に鑑み、救済医療の一環として、各ブロック拠点病院においては、PEG化IFN+リバビリンの自己注射などといった高度かつ最新のC型肝炎発症予防治療を積極的に推進されたい。

    2. また、肝硬変、肝ガンといった重症被害者に対しては、早急にかつ積極的にACC・東大病院などと連携を取り、生体肝移植を検討するなど、迅速に最新・最高度治療が受けられるよう、対応していただきたい。

    3. 関連して、HIVとHCVの重複感染者への治療の進歩についてはHCVの治療の進歩が不可欠なところであり、厚生労働省が現在行っているHCV医療体制整備についてご説明をいただき、今後の体制拡充について、患者の意見を取り入れつつ積極的に推進していっていただきたい。

  8.  

  9. 文部科学省の協議への参加について 

    本年度から大学病院がブロック拠点病院となっているブロックの三者協議に、文部科学省担当者が参加され、各ブロックの医療体制の現状について理解していただき、また患者の声を直接聞いていただけた点に感謝している。今後とも、ブロック三者協議への文部科学省の参加を継続していただくようお願いする。 
    中央運営協議会・医療協議にも正式参加していただけるよう強くお願いする。そのために、要綱の改訂をされたい。

  10.  

  11.  

  12. 治療費減額査定について 

    本年度も北海道・関東甲信越・九州ブロック三者協議において、治療費の減額査定事例が報告された。厚生労働省は、研究班を通じて減額査定事例についての拠点病院等への調査を行っていただきたい。ひきつづき、感染被害者が治療に関して不安を感じることのないような制度の確立を強く求める。

2. ブロック個別議題


2.1 北海道ブロック 

北大病院のコーディネーターナースの増員 
本年度三者協議の席上、北大病院から来年度のリサーチレジデントの体制について、看護師の割り当て増を検討することが表明された。その後の検討状況について、来年度からのコーディネーターナースの増員が可能かどうかご報告いただきたい。 

2.2 東北ブロック 

 

  1. 専任コーディネーターナース(専任CN)の確保と院内バックアップ体制の強化

  2.  

  3.  

  4. 現在、国立仙台病院では専門外来看護師に各種看護研修をさせて専任CNの代行をさせているのが実情である。よって、国は東北ブロックの向上・発展にも必要不可欠な専任CNを従来の看護定数基準に当てず、国立仙台病院に確保することを強く要望する。また、国立仙台病院は、今後、東北ブロック全体にコーディネイト機能が円滑に浸透されるよう、当該代行者に対して院内のバックアップ体制の強化・充実を要望する。 

  5.  

  6.  

  7. 拠点病院及び協力診療病院との効果的連携体制の構築

  8.  

  9.  

  10. 国立仙台病院には、新たな枠組みとして、各県HIV実務代表者検討委員会(仮称)を設置し、各県事務担当者及び代表拠点病院の担当者からなる、効果的連携体制を構築するための具体的な検討を図って頂きたく要望する。国は国立仙台病院が速やかに実施できるよう、その予算措置等を含めたあらゆるバックアップを確約願いたい。 

  11.  

  12.  

  13. 各県におけるカウンセラー・MSWの人的整備、質的向上の強化

  14.  

  15.  

  16. 東北ブロックは、派遣カウンセラー配置2県、臨床心理士配置4施設と全国的に見てもカウンセリング体制が不十分である。MSWについても同様である。国はこの現状を真摯に受け止め、各県とも効果的な連携を強めながら人的整備を講じて頂きたく要望する。また、国立仙台病院は、心理・福祉分野の質的向上を図るための研修の強化を今後とも要望する。 

  17.  

2.3 関東甲信越ブロック 
ブロック分割問題 
 全国の感染者の70%が集中している首都圏を、関東甲信越ブロックとして新潟大学で担当していくことは難しいということは再三にわたり新潟大学側から提示されてきたところである。これに対し、新たに首都圏ブロックを立ち上げ、ブロック拠点病院を新設することが検討されていると伺っているが、原告団としては、現実的な対応という観点から、新たなブロック拠点病院を選定するより、ACCの機能を強化・拡張して、各拠点病院の機能を活用しつつ首都圏におけるブロック拠点病院機能を担わせることを提案する。この場合、ACCに対する人的、物的、予算的措置の拡大を確約願いたい。

2.4 東海ブロック 
人的体制の拡充 

 国立名古屋病院の患者数は200名を越え、増加をつづけている。国立名古屋病院の現状は、三者協議の席上で厚生労働省にもお伝えしたとおりであり、引き続き医師、看護師の増員を強く要望する。 
 また、カウンセラーについては、その負担を軽減するべく、国立名古屋病院に対しては、院内MSWのHIV感染者・患者に対しての積極的な活用を図っていただきたい。また、厚生労働省からは、カウンセラーを補助する業務に当たる職員1名以上をエイズ予防財団からの派遣によって対応する旨の回答があったが、その進捗状況についてご報告いただきたい。

2.5 北陸ブロック 

 専任診療体制の確保 
石川県立中央病院では、HIV担当医がリサーチレジデントによって対応されており、1年ごとに担当医が変わっていく現状にある。早急に、院内に常勤かつ専任の感染症担当医を確保していただきたい。

2.6 近畿ブロック 
1) 臨床 研究センターの設置について 

国および国立大阪病院に対して、昨年に引き続きHIVに関連する臨床研究センターの設置、もしくは、臨床研究センターと同等程度の機能を有した設備・人的体制の整備を強く求める。 また昨年12月18日に開催された近畿ブロック三者協議(以下、本年度三者協議)において、国立大阪病院として厚生労働省に以下のような提案を要求している旨が示された。 

  1. 臨床研究部を「免疫感染症室」「医療情報室」他3つに拡充し、各部門に専任室長を設置する

  2. 現在ウイルス研究室長および免疫感染症科部長は兼任となっているが、おのおの専任とする

  3. 上記項目に対し国立病院部政策医療課は、「国立大阪病院の要望事項は、厚生労働省から総務省に実現を要求し、財務省とも予算交渉中である」旨の回答を行った。その後の経過・進捗状況を報告するとともに、国は国立大阪病院の提案を実現できるよう尽力されたい。 

  4.  

2) 免疫感染症科の独立について 

昨年に引き続き、現在の総合内科外来から物理的・人的・予算的にも独立した免疫感染症外来の設置を強く要望する。 
本年度三者協議では、免疫感染症科の独立について、国立大阪病院は「独立行政法人後は、増築・改築等に関して採算性を考慮しなければならない」旨の回答を行った。前記1.1)で示したように、国および国立大阪病院は、再度HIV感染被害者の救済医療としての政策医療を放棄することがないよう強く再認識し、物理的・人的・予算的にも独立した免疫感染症外来の設置を目指し努力されたい。 

 

3)人的体制の整備、院内連携・チーム医療等について 

平成15年4月以降にHIV診療スタッフ数名(医師、MSW、等)の院外への異動予定があると聞いている。国および国立大阪病院は、HIV医療体制の後退を引き起こさぬよう早急に人員の補充、人的体制の整備・増員に尽力されたい。特に今後もHIV専任看護師を看護支援調整官として確保するよう強く要望する。 また本年度三者協議で指摘のあった院内連携、特にC型肝炎治療での消化器内科との連携について改善が見られたのか報告されたい。

2.7 中国四国ブロック 
1)HIV看護師のコーディネーター機能の充実 
HIV診療において、専任看護師を中心とした患者支援・コーディネーター機能の重要性は周知の事実であるが、今後、中四国地方のブロック拠点病院(3施設)においては、HIV看護体制の充実を図り、HIV診療に関わる看護師の専任制を確保されたい。特に広島大学医学部付属病院看護部がコーディネーター機能を十分発揮できるようHIV専任看護体制の構築に尽力されたい。さらにHIV専任看護師はエイズ治療・研究開発センターの看護研修等に参加し、スキルアップを図れるよう施設として支援していただきたい。 

2)中国四国ブロック各県への研修の充実 
国および中国四国ブロック拠点病院は、中国四国各県の医療者に対する研修を一層充実されるよう要望する。

2.8 九州ブロック 

1)医師・看護師の専任化 
ブロック拠点病院については、HIV診療に当たる医師・看護師等について専任化が約束されているところである。九州・沖縄地区全体のHIV医療を統括するブロック拠点病院として、一般医療の負担がHIV担当医師・看護師等へのHIV関連業務の妨げとなることのないよう、病院全体として最大限の配慮をしていただくよう要望する。 

2)臨床検査技師の確保 
九州医療センターでは、薬剤耐性検査、抗HIV薬の血中濃度測定など今後のHIV診療を進める上で必要不可欠な検査を担うスタッフの体制が不足している。そこで、HIV感染症専任の臨床検査技師1名をエイズ予防財団からの派遣等によって確保されるよう、強く要望する。 


以上 
 

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