平成17年2月3日
厚生労働省
健康局長 殿
医政局長 殿
医薬食品局長 殿
保険局長 殿
独立行政法人
国立病院機構 本部 医療部長 殿
ブロック拠点病院 病院長 殿
平成16年度 中央運営協議会 議題
東京HIV訴訟原告団
大阪HIV訴訟原告団
中央運営協議会においては、以下の事項を協議されたい。
1.ブロック共通の議題
1.1 救済医療としてのHIV医療の確保および協議要綱の確定
平成16年4月より、国立病院・国立大学が独立行政法人化されたが、我々HIV訴訟原告団と国との各種協議要綱について確定していないものがある。国および独立行政法人国立病院機構本部、ブロック拠点病院は、HIV医療を医療政策として位置づけ、経済効率にとらわれることなく、HIV医療体制を充実・強化するとともに、早急に協議要綱を確定されたい。
1.2 独立行政法人国立病院機構本部への要求
独立行政法人国立病院機構本部は4ブロック拠点病院をネットワーク下に置いている。このうち、大阪医療センター、名古屋医療センターは、患者数の増加も著しく、下記ブロック個別議題において、人的物的な体制強化を要望しているところである。これら人的物的体制強化について、機構本部として積極的に支援をしていただきたい。どのような支援を行うことができるか具体的にご説明願いたい。
1.3 血友病治療環境の整備
1) 血友病専門医の確保について
かねてから要求するところであるが、我々薬害被害者の治療においては、原疾患である血友病に加え、HIV/HCV重複感染症の肝臓機能低下による凝固能低下も相まって、高度かつ細心の注意を伴った止血管理が要求される。上記関節症治療の現場においても、なおさら高度の止血管理が不可欠である。したがって国は、ブロック拠点病院に、止血および凝固管理の常勤の専門医師(血友病専門医)を、早急に確保されたい。
2) 血友病治療環境の確保および不適切な減額査定の解消について
現在、全国的に入院医療包括評価(DPC)制度を導入する動きがあるが、昨年4月に起きた血友病のDPC導入を巡り、救済医療の根源にかかわることから導入しないことで決着を見た。感染被害者の命を国が守る約束において、その根幹となる血友病治療及びHIV感染症治療に医療費負担を生じることの無いよう、徹底を周知されたい。
したがって、平成13年度大臣定期協議(平成14年8月5日実施)の「厚生労働省は、患者・感染者の医療に係る保険請求について、一律で不合理な減額査定がある場合には是正するものとする。」との確認事項および、平成15年度大臣定期協議(平成16年5月24日実施)の回答書「2(4)5の4 ?(略)HIV感染者の方々が不安なく必要な治療が受けられる環境を整備することは?(略)」に基づき、国は今後も継続的に血友病治療環境を確保するとともに、不適切な減額査定を解消するよう、今一度確約されたい。
3)各拠点病院における減額査定状況の調査
国は、エイズ診療拠点病院でのHIV感染被害者の減額査定状況を正確に把握するため、全拠点病院の減額査定状況を調査するとともに、不適切な減額査定が疑われる場合には、速やかに是正されたい。
1.4 HIV/HCV重複感染者の肝炎治療に関する医療環境の充実
我々HIV感染被害者がHIVのみならずHCVにも重複感染し、HCVの脅威に晒され、また長期にわたる抗HIV療法の副作用(薬剤性の肝機能増悪)により、確実に肝臓が蝕まれているのは周知の事実である。平成15年度大臣定期協議(平成16年5月24日実施)における大臣発言に基づき、以下の項目について早急に対応されたい。
1) インターフェロン(以下IFN、PEG化IFNを含む)および、強力ミノファーゲンCの家庭内自己注射を実現されたい。
2) HIV感染被害者救済の観点から、肝硬変などの肝炎の進行状況、HCVウイルス量、ウイルスタイプなどにかかわらず、リバビリンおよびPEG化IFNによる併用療法を健康保険適応されたい。
3) 現在、肝硬変へ進行した患者に対する緊急救済医療の一環として生体肝移植が進められている。しかし、最後の一手段である生体肝移植において、肝臓の一部提供をしていただくドナーの確保は困難な場合が多い。ドナーを確保できずに肝炎悪化で死と直面している被害者は年々増えている。国およびブロック拠点病院は、HIV/HCV重複感染者に脳死肝移植を含め、移植医療の更なる環境整備を進められたい。
1.5 長期治療、薬剤副作用等に対するヘルスケア体制の整備について
1) 長期治療、薬剤副作用に対する治療・研究体制の整備
感染被害者の多くは、抗HIV薬投与が長期にわたり、また抗HIV薬のみならず、HCV治療でのインターフェロン投与などによる深刻な副作用に苦しんでいる。しかしながら、現在の医療現場では、長期治療・薬剤副作用に伴う身体・精神症状についてのケアが十分に行われているとはいえない。国は、個々の患者の治療期間・薬剤副作用に着目した治療・研究体制を整備されたい。
2) メンタルヘルスケア体制の整備
このような状況下、特に感染被害者について、中枢神経障害等の精神症状が深刻化している。しかしながら、現在の救済医療の現場では、長期治療・薬剤副作用に対するメンタルヘルスケアは十分に行われているとはいえない。よって、国およびブロック拠点病院はHIV感染被害者の実情を把握し、HIV専門医師と、精神科、心療内科、神経内科など精神・神経領域の専門家とが十分に連携を取りながら、メンタルヘルスケアを提供できる治療・研究体制を早急に整備されたい。
1.6 看護実務担当者の専任化
1) HIVコーディネーターナースの資格認定
ACCおよびブロック拠点病院において、看護実務担当者は、継続的に専門的な患者サポートを行っている。とりわけACCにおいては、薬害エイズ事件を教訓として、医療者全体でチーム医療を組み、最先端・最高度の医療をHIV感染症患者に提供するためにコーディネーターナースが設けられた。そして院内医療の調整のみならず、患者の生活全体について医療者の立場から支援を行い、副作用の厳しい抗HIV薬を生涯にわたって厳格な服薬継続を要求される患者を支えてきている。さらに今般、ブロック拠点病院においても、患者数の急増と療養期間の長期化によって、看護実務担当者の意義・役割は大きくなっているところである。
しかしながら、ブロック拠点病院等の看護実務担当者は、このような大きな役割を期待されているにもかかわらず、現実には一般外来業務との併任もしくは、非常勤のリサーチレジデントであるなど、担当者の専門性・継続性すら担保できない状況にある。先駆的医療の範たるHIV医療を更に良きものにするためには、看護師においても、その専門性を十分駆使できるような体制が必要である。そのため、専門ナース資格認定に、HIVコーディネーターナース・HIV専門ナースの位置づけを明確にするべきである。したがって国は、これらHIVコーディネーターナース等に対して資格認定を与えることを強く要望する。
2) 看護実務担当者の、療養相談・指導に対する診療報酬の新設
HIV医療体制整備の一環として、上記資格を持つ看護実務担当者が、患者に対して療養相談・指導等をした場合、「慢性感染性疾患療養指導料(仮)」として算定し、保険上の措置をされたい。
1.7 エイズ拠点病院・診療協力病院等へのサポート体制の強化
拠点病院でありながらブロック拠点病院に患者を転院させるなどして、明らかに拠点病院としての役割を放棄しているといわざるを得ないケースが散見される。また一方で、通院患者数が急増しているにもかかわらず、限られた体制ながらも診療を行っている施設も存在する。
したがって、国およびブロック拠点病院は、各拠点病院のHIV診療体制を拡充・支援するために、多職種からなるHIV診療支援チームを編成して各拠点病院に派遣したり、各拠点病院の診療経験に応じたHIV/AIDSに関する研修プログラムを作成するなどの充実した研修者受入体制を整えられるなど、拠点病院等へのサポート体制を強化されたい。
1.8 ブロック拠点病院の検査体制の強化
全ブロック拠点病院において、HIV医療に関連する最先端の研究的検査(薬剤耐性検査、血中濃度測定、各種日和見感染症診断検査)が実施できるような体制を早急に構築されたい。
1.9 ACC・ブロック拠点病院の調整官・コーディネーター・専任看護師と患者との連携の強化
HIV医療体制において、院内の医療及び院外の医療を活用して、患者に最善の医療を提供し、QOL向上のための環境整備を行うための調整官・コーディネーターナース・専任看護師がACCやブロック拠点病院に配置されている。これは、厳しい治療を強いられている被害患者およびHIV医療を受ける患者についても、医療を受ける際の窓口的存在でもあり、患者の生活・医療等々は、これらコーディネーターナース等の活発な活動がなければ保障できないといっても過言ではない。今後さらに厳しくなる被害患者の医療について、院内外においてよりよい治療を受けられるよう、またQOLの向上のため、さらには患者の命を守るために活動していただくため、ACC・全国のブロック拠点病院におけるこれらのスタッフが一堂に会し行う、患者との協議連絡会を設置されたい。
1.10 ブロック拠点病院における病床設備の拡充
HIV感染被害者が、確実かつ速やかに個室入院できることの周知徹底を図ると共に、これに対応した病棟体制を構築し、病床を確保されたい。
1.11 長期療養・介護が必要な患者の医療体制整備
HIV感染被害者への救済医療は、最新・最先端の濃厚医療だけでなく、長期療養、あるいは介護も必要とする。感染被害者が安心して長期療養、介護を受けることのできるよう、濃厚医療から長期療養まで一貫した視点での医療が受けられる、実質的な医療体制を整備されたい。
1.12 ブロック拠点病院におけるHIV治療の広報等、周知の徹底
ブロック拠点病院は全国に散在するHIV感染者に、医療の地域格差を生じないよう最高度の医療が提供される最前線として設置されている。昨今のHIV感染者急増と治療の手遅れが多いという現状を鑑み、感染者のブロック拠点病院アクセスを容易にするHIV診療案内をホームページ等々で公示するよう徹底されたい。
2. ブロック個別議題
2.1 北海道ブロック
1) 現在、北海道大学病院に週2日派遣されているMSWを、来年度(平成17年度)は週3日の派遣になるとの回答であった。しかしながらMSWに対する患者のニーズは週3日で満たされるものではない。そこで北海道大学病院では、実質的にいつでも安心して患者ニーズに対応できるよう、派遣MSWと道内拠点病院在籍MSW(PSWも含む)の連携・協力関係構築を前提に道内研修会・事例検討会等を開催していただきたい。
2) 先の直接協議の場で、札幌医科大学附属病院から、HIVコーディネーターナースを平成17年4月から配置することを検討されているとの回答がされました。その後の状況等お聞かせ願いたい。継続的に専門的な患者サポートを行い、チーム医療を実践するためにHIVコーディネーターナースの役割は益々重要となっている状況を踏まえ、札幌医科大学附属病院においては、HIVコーディネーターナースの配置を進めていただきたい。
2.2 東北ブロック
・カウンセリング体制について
東北ブロックは、「エイズ対策促進事業」に基づく派遣カウンセラー整備が立ち遅れ、HIV患者に関わるカウンセリングやメンタルヘルスケアの機能が実質的に果たされていない状況である。よってHIVカウンセラー体制の構築や精神科等の専門医師からなる有機的提携、更には実質の伴う効果的な臨床検討会等に取り組んで頂きたい。また厚生労働省には、各自治体の現状等についてブロック拠点病院と共有すべく、その有機的連携と各県の派遣カウンセラー整備にご尽力願いたい。
2.3 関東甲信越ブロック
関東・甲信越ブロックは、全国のHIV感染者の70%が集中している。特に首都圏の感染者急増は顕著である。このような状況における当該ブロックの地域的役割を共有して適切な医療と情報・研修を実践していくため、当該ブロックを新潟大学ほか2病院が担う北関東・甲信越支部と、首都圏を担当する首都圏支部をエイズ治療・研究開発センター(ACC)内に置くことになった。この現状と将来を考慮して当該ブロックの課題を解決されるよう要望する。
1)新潟大学におけるMSW確保について
HIV感染者の生活・就労において、社会資源の活用と、偏見・差別のない社会生活を円滑に送れるよう社会の篤い支援が求められる。患者の社会参加をより円滑に進めていくために、MSWを配置する必要性は確認していている。当該ブロックの核となる新潟大学に、早急に要員を確保し、患者からの要請や新たな取り組み等の社会的要請に応えられるよう早急にMSWを配置されたい。
2)首都圏支部を担うACCの診療支援体制の人的強化
現在ACCは、首都圏における感染者の急増により、専門外来(3.5診室)が満杯である。診断時期の遅れ、適切な治療の遅れ等々から悪化した患者の外来受診や、治療方針を決めるための外来受診をする患者の増加が著しい。
良質な医療の提供が確保されるはずのACCで、診察室・相談室不足により、診療の質の低下が患者の不安となっている。また、外来担当者(医師・看護師)、特に看護師長から血液製剤の取り扱い・吸入・注射・検査等々で事故が起こらないよう祈るばかりとの切実な訴えがある。診療部長からも「4診でも年内にパンクか」と危惧されるほどの患者の集中化が起きている。ACCの専門外来の強化は論を待たないが、他方で、
ⅰ)ACCが首都圏医療機関の診療支援を行い、ACCとの連携の下に患者が安心して通院できる、活力ある病院を年間に数施設作り上げていく。
ⅱ)研修に来てもらうだけでなく、現地の主要な病院にスタッフチームが出向いて、相当期間出張支援を行う。そこには当該地域から医療者の積極的な出席が確保される。
ⅲ)医療情報室にHIV治療に精通した医師やコーディネーターナースを配置して、相談してくる医療者へ適切な助言を行える体制をとる。
などの対応策を現状に比して、思い切って強化する必要がある。 この対応策を実施するため、国は既存業務で手一杯のACCに対し、首都圏診療支援のための医師・コーディネーターナースの人的強化をされたい。
2.4 北陸ブロック
先の直接協議の際、石川県立中央病院に専門外来を開くとの回答であったが、その後の進捗状況・計画・スケジュール等、詳しくお聞かせ願いたい。またその際、他科診療との連携等に不備のないことを確約願いたい。
2.5 東海ブロック
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターについて
1) 独立したHIV診療部門の設立
名古屋医療センターは、登録患者数が300名に達し、日本のHIV医療体制の一翼を担う状況になっている。このような状況で、名古屋医療センターに専門の診療科がないのは、体制として十分ではないと考える。独立したHIV診療部門を設置し、専任の医師・ナース等を配置して、現在求められているブロック拠点病院としての機能を十分に果たせる体制にしていただきたい。
2) 医師の増員について
現在、外来・病棟においてHIV診療に当たっている総合内科の医師に加え、HIV診療経験を豊富に持つ医師1名以上を感染症専任医師として配置されたい。
3) リサーチレジデント職員の正式雇用
エイズ予防財団派遣のカウンセラーについて、これまでHIV診療チームで果たしてきた役割、実績を評価し、院内に正規職員として雇用されたい。また、負担を軽減するべく、カウンセラーを補助する業務に当たる職員1名以上をエイズ予防財団からの派遣によって対応されたい。
2.6 近畿ブロック
・HIV/AIDS先端医療開発センターに対して
HIV/AIDS先端医療開発センターは、ACCと共に両輪となって我が国のHIV医療の根幹をなす重要な拠点であると認識している。しかしながら現状は、ACCに比較して人的体制・設備など不十分な点が多い。したがってHIV/AIDS先端医療開発センターのHIV医療体制をより一層強化・拡充するために、大幅な増員・設備整備等を要望する。以下の項目については重点的に整備されたい。
1) HIV/AIDS先端医療開発センター(免疫感染症科)医師の補充
平成17年2月末で免疫感染症科医長の退職が決まっているが、とりわけ血友病HIV感染被害患者には、包括的で、きめ細やかなケアが必要であるため、このような医療の後退は看過できるものではない。したがって国、独立行政法人国立病院機構本部および、国立病院機構大阪医療センターは、早急にHIV/AIDS先端医療開発センター医師の欠員補充および増員を図られたい。
2) コンバインドクリニック体制の拡充と各科専門医療チームの構築
平成17年1月4日、総合内科から独立した新しい免疫感染症科外来の開設に伴い、コンバインドクリニック体制がスタートした。この体制が今後発展することを期待してやまないが、今以上に血友病HIV感染被害患者に対する包括的できめ細やかなケアを提供するため、各科専門医師、看護職、薬剤師などからなる専門医療チームを編成し、外来のみならず病棟においても、迅速かつ柔軟に対応できる医療体制を構築されたい。
3) 専任看護師の増員および看護体制の強化
新しい免疫感染症科外来では、HIV専任看護師が日々増加する新規患者の対応に追われ、面談・相談等を希望しても外来受付けにて不在であることが多い。もはや現在のHIV専任看護師2名体制では不十分であるといわざるを得ない。したがって早急に外来のHIV専任看護師の増員を強く要望する。加えて外来および病棟にHIV専門看護チームを編成し、HIV/AIDS先端医療開発センターの血友病HIV感染被害患者の看護体制を強化されたい。
4) 血友病性関節症への整形外科治療体制の強化
血友病関節症に対する観血的な整形外科治療においては、止血管理は術中・術後においても十分な配慮が必要となる。したがって整形外科に血友病専門クリニックを設け、さらには血友病症例の経験豊富な整形外科医師を招聘するなど、早急に整形外科的治療体制を整備されたい。
2.7 中国四国ブロック
1)広島大学医学部附属病院に対して
-
中四国ブロック医療体制整備の研究強化のため、リサーチレジデント医師1名の増員を要求する。
-
直接協議の場において、病院長直属のHIV委員会を設置し、全科対応を行い、HIV診療体制個々の問題に対処するとの回答であったが、委員会の開催状況、内容、メンバー等をお聞かせ願いたい。
-
ブロック内HIV医療体制の底上げの任をはたして頂いておりますが、直接協議で確約された、戦略的な取り組み、県立広島病院、市立市民病院との連携を含めた、平成17年度以降の取り組みについてお聞かせ願いたい。
2)県立広島病院に対して
・先の直接協議の際、診療におけるコーディネート機能について、総合診療部がおこなうことが明確化されました。今後とも、診療、研修において、広島大学病院、市立市民病院と連携し、県立広島病院の特色をいかしたブロック拠点病院を目指していただくよう確約願いたい。
3)市立広島市民病院に対して
・先の直接協議の際、診療におけるコーディネート機能について、担当内科がおこなうことが明確化されました。今後とも、診療、研修において、広島大学病院、県立広島病院と連携し、市立市民病院の特色をいかしたブロック拠点病院を目指していただくよう確約願いたい。
2.8 九州ブロック
九州ブロックは、離島も多く抱え、また感染者急増の傾向にある沖縄県も担当地域としている。九州医療センターの役割をより活性化させ、強化した九州の要とするにはブロック内の協力と関係機関の支援が必要である。
1)患者急増の沖縄県医療支援について
沖縄県を担当するブロック拠点病院は九州医療センターである。しかし、沖縄県在住のHIV感染被害者の多くが和解後、東京のACCに通院や入院などの治療を継続して受けている。被害患者・家族の今までの思いと、今後の治療継続も考え、ACCとの関係も尊重する必要がある。一方、最近の同県の感染者急増に対応するため九州医療センターの積極的な関与が重要である。ACCはHIV医療にナショナルセンターという役割から、沖縄県に対するHIV医療について九州医療センターが行い、ACCが支援するということを改めて認識して、沖縄県のHIV感染者に最善の医療提供を行えるよう要請する。
2) 独立行政法人国立病院機構九州医療センターにおいては、エイズ対策促進事業により派遣MSWが週
2日福岡県から派遣されているが、患者ニーズに対応するためには、なお十分ではないと考える。患者が安心していつでも相談できるようMSWの勤務態勢の強化を図られたい。 さらに、九州医療センターへの派遣MSWと九州内拠点病院在籍MSW(PSWも含む)の連携強化のため、研修会、事例検討会を開催されるようお願いする。
3.中央運営協議会の会議時間について
治療が長期間にわたる感染被害者の病状の複雑化、および全国的なHIV感染者の急増により、ブロック拠点病院が果たさなければならない役割も多様化、拡大してきているところである。協議内容も多岐に渡り、ここ数年中央運営協議会が2時間の定刻で収まらず、大幅に延長されている。
これらの状況を踏まえ、来年度以降は中央運営協議会の会議時間をあらかじめ3時間以上に設定していただきたい。
以上
index > 大阪HIV薬害訴訟原告団 > 現在地