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遺族の声

 

H・Sさんのメモリアル

 母より息子へ”この世は美しかな月今宵”

 生きてていいんだよ、もっと……しかし

 よくがんばったネ……と笑って……

 彼の遺稿の最後の章

 ワイン注ぐ形見のグラスの秋流灯の名残惜しむか岸に寄る……母

 本やノート類、皆焼いて残念です。彼の部屋はそのまま、

​ 遺品は私の生命の糧です。

 本当は彼ビンボーでした何もありません。

 可哀そうにおもいました。

 この時計は最後の刻まで枕元に有りました。

​ 他の眼鏡や時計は、

 棺桶に入れて送りました。

1996年歿 36歳
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