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HIV感染症治療薬の製造又は輸入承認申請の取扱いについて

 

    

  医薬審第1015号 

  

平成10年11月12日

 

  各都道府県衛生主管部(局)長 殿 

    

  

厚生省医薬安全局審査管理課長

 

    

  HIV感染症治療薬の製造又は輸入承認申請の取扱いについて 

    

  HIV感染症治療薬(HIV感染症に随伴する症状の治療に用いるものを含む。以下同じ。)の承認申請については、従来から希少疾病用医薬品として優先審査を行うとともに、当該治療薬を専門に調査審議するエイズ医薬品調査会を中央薬事審議会に設置する等承認審査の迅速化を図ってきたところである。当該医薬品については、国内の患者数が極めて少ないこと等から治験の円滑な実施が困難な状況にある一方、患者数の多い欧米では新しい医薬品の急速な開発が図られ、相当程度の使用成績が集積されているという当該医薬品特有の状況を踏まえ、我が国においても新しい医薬品が医療現場に迅速に提供されるよう、今般、別添のように、当該医薬品の一層の迅速承認審査を行うこととしたので、下記事項にご留意の上、貴管下関係者に対して周知徹底を図られるようお願いいたしたい。 

    

  

 

    

 1本迅速承認審査の取扱いは、HIV感染症治療薬について外国(本邦と同等の水準にあると認められる承認の制度又はこれに相当する制度を有している国(例えば、米国に限る。以下同じ。)の審査当局に対する承認申請に添付される資料(以下「外国データ」という。)に基づき承認を行うものであるが、承認後に、患者の安全を確保するための必要な措置が講じられ、また、国内での使用において当該医薬品の用法・用量等の承認内容が確認されることが前提とされていること。 

    

 2HIV感染症治療薬については、外国における承認前であっても、当該国での開発終了時以降に外国データを提出することにより、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター(以下「センター」という。)における承認申請前の評価(以下「事前評価」という。)を受けることができること。 

    

 3外国における承認前であっても、事前評価後に当該医薬品の承認申請を行うことができるが、当該国での承認を確認した上で我が国での承認を行うものであること。なお、承認審査は、外国データに基づく事前評価を踏まえ、迅速に行うものであり、承認申請から承認まで概ね4か月で処理する方針であること。 

    

  HIV感染症治療薬の製造又は輸入承認申請の取扱いについて 

    

 第1

目的 外国で承認されたHIV感染症治療薬をより一層迅速に承認するため、外国での開発終了時における外国データに基づく事前評価、承認審査の効率化及び申請者の承認後の対応についての取扱いを示すことを目的とすること。

 

    

 第2承認申請前の事前評価について 

    

 1HIV感染治療薬については、外国での開発終了時(当該国の審査当局に対する承認申請時を目途とする。)以降、外国データに基づく品質、有効性及び安全性の事前評価を受けることができること。 

 2事前評価については、手数料は設定しないものであること。 

 3事前評価を受けようとする者は、事前評価資料として外国データ(根拠資料を除く。以下同じ。)を英文のままセンターに提出できることとするが、承認申請書の案(書面)を併せて提出すること。なお、当該資料の概要(英文で差し支えない。)又は日本語の治験薬概要書に相当するもの及び市販後医薬品に関する定期的安全性報告(PSUR)(英文で差し支えない。)がある場合は、当該申請資料の資料一覧とともに提出するものとすること。 

 4事前評価は、薬物血中動態試験(以下、「PK試験」という。)に係る資料の承認前提出の必要性を含め、承認の可能性を評価するとともに、提出された資料の内容に応じ、承認までに収集すべき資料又は情報、承認に付される条件(以下「承認条件」という。)として医療関係者に情報提供すべき事項及び承認後に提出すべきPK試験等の国内市販後調査の実施内容を評価するものであること。 

 5規格及び試験方法、安定性並びに毒性試験成績についての評価は、原則として、センターの審査チームが行うこと。 

 6事前評価に基づき、速やかに希少疾病用医薬品指定申請及び製造(輸入)承認申請を指導するものであること。 

 7

承認申請前であっても、事前評価にあわせて、市販後調査基本計画書をセンターに提出できること。また、同様に、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(以下「機構」という。)において適合性調査の実施を前提とした事前調査を開始することができること。

 

    

 第3承認申請後の審査について 

    

 1外国において承認される前に承認申請することができるが、承認は、外国データが提出された当該国における承認を確認した上で行うものであること。また、承認申請後は、概ね4か月を目途に承認できるよう迅速に審査を行うこととしているので、申請者は、外国の導入先と十分に連携をとり、迅速に対応できるよう努めること。 

 2申請者は、承認申請時に、事前評価資料に加え、外国データが提出された当該国の審査当局の審査概要及び事前評価後に当該国の審査当局に報告された新たな事項を含む事前評価時に提出を指導された資料(以下「追加提出資料」という。)を申請書に添付する資料として提出すること。 

 3承認審査は、事前評価結果及び追加提出資料に基づき、医療関係者等に対する情報提供内容(使用上の注意)の整備及び承認条件の整備を中心に行うこと。なお、第2の5に掲げる資料は、原則として、センターの審査チームにおいて審査が行われること。 

    

 第4承認を得た者の承認後の対応について 

    

 1

承認を得た者は、重篤未知の副作用等の発生を可能な限り防止し、患者の安全を確保するため、外国データに基づく承認であることによる当該医薬品の使用条件を処方する医師及び医療関係者が十分に把握し、患者に対するインフォームド・コンセントを実施した上で処方できるよう、迅速かつ確実な情報提供を行うこと。

 

 2承認を得た者は、市販後調査により、国内外での新たな情報、副作用に関する情報等の適正使用情報を収集し、当該医薬品を処方する医師及び医療関係者等に迅速かつ確実に提供すること。 

 3承認を得た者は、承認条件とされた場合の臨床試験成績、PK試験、規格及び試験方法等に係る資料の収集状況を含めて安全性定期報告をセンター報告するとともに、個々の成績について試験終了時にセンターに報告すること。 

 4迅速審査の取扱いは、使用成績調査等により、日本における当該医薬品の有効性及び安全性を確認することが前提であることから、承認を得た者は、患者のプライバシーに配慮しつつ、市販後調査を最大限実施することとし、使用成績調査の契約を行えなかった施設における処方医からも副作用情報等の収集に努めること。 

 5医療機関における研究又は診療等により実施される薬物血中動態測定等の成績についても、承認後の当該医薬品の評価に有用な情報を提供するものであるので、承認を得た者は、積極的に情報収集に努めること。 

 6承認後に提出された資料等に基づき、有効性及び安全性に問題がない揚合、承認条件の一部を解除し、また、必要に応じ、承認を得た者に承認事項の一部変更申請を行わせるものであること。(0216972400) 

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