top of page

 

中央運営協議会議事要旨

 

    

  

平成10年3月25日

   

厚生省特別第1会議室

 

    

  出席者:厚生省保健医療局 小林局長、中谷エイズ疾病対策課長、池田課長補佐、水野課長補佐、小池係員
       国立病院部 上田政策医療課長、中野課長補佐、水谷係長
       医薬安全局 石塚医薬品副作用被害対策室長
    各ブロック拠点病院代表
    国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター 梅田センター長、岡部長
    東京・大阪HIV訴訟原告団弁護団約30名 

    

1. 厚生省、訴訟原告団弁護団をそれぞれ代表して、小林保健医療局長、岸本弁護士が挨拶 

  小林局長より、エイズ対策として厚生省が取り組むべき課題は、平成8年3月のエイズ訴訟和解後の恒久対策の一環として医療体制の充実に向けて協議し、改善を図ることである。ブロック拠点病院を機能させるための工夫、人の養成にカを入れ、予算と人を最大限に活用して患者の医療の向上に結びつけていきたい旨の表明がなされた。 

    

2. 要望事項について厚生省より一括説明。その後討論 

    

3. 総合討論 

 (1)専任化について 

  (原告側) 

  ブロック拠点病院の医師・看護婦については、①HIVや血友病以外の一般診療にとられている時間が多い②ブロック全体の診療レベルの向上に資するための労力が増えている。という現実があることから、専任化が原則であるとの再確認を求める。 

    

  (厚生省) 

  ブロック内のエイズ医療の向上、地域格差の是正のために専任化が原則であることを確認する。それに向けて各病院も努力していただき、それを支える方向で厚生省もできる努力をしていく。ただし、どのようなスピードでそれに至るかは、地域の実情に即して判断すべきものと考えている。国立病院部としては、診療のみならず研修等もブロック拠点病院の主要な機能であり、専任医師の職務と考えている。ブロック拠点病院の機能に支障がある場合、原告団と協議する。 

    

  (県広島病院) 

  当病院では、総括責任者を選んで、その人がグループの中心となって、リーダーシップを発揮し、院内の啓発活動等を進め効果を上げているので参考にして欲しい。 

    

  (九州医療センター) 

  ブロック拠点になって1年たつが、業務がどんどん増えている。専任化は重要であり、当病院において人手が足りなくなっているのは事実である。レジデントを要求しているが、つかない。 

    

  (厚生省) 

  実情をよく聞いて検討することはやぶさかでないが、定員事情が厳しいことは理解して欲しい。九州の問題については、後から話を聴かせて頂き、仮に支障があれば対応を検討する。 

    

 (2)リサーチ・レジデントの任期延長について 

  (原告団) 

  リサーチ・レジデントで補完している人は本来正規職員化すべきと考えているが、それが難しい場合でも本人が希望する場合は、3年を越えてリサーチ・レジデントとして雇用を継続することを求める。 

    

  (厚生省) 

  リサーチ・レジデントについては、原則3年というのは研究のための人員であるので、変えられない。個別問題は、病院、本人、患者と厚生省とで相談してやっていく。同様に、カウンセラー、情報担当職員についても、同じ問題意識の下に検討したい。 

    

 (3)看護婦一名の増員について 

  (厚生省) 

  国立のブロック拠点病院等は、HIV専任として看護婦を配置している。増員については非常に難しい状況の中で、各病院の医療の状況、患者数等の変化に応じて、必要な場合は、原告団と協議していきたい。 

    

 (4)MRIの稼働状況について 

  (原告団) 

  機種の古い病院については更新を要望する。緊急の場合はすぐ検査してくれるものと考えてよいのか。 

    

  (厚生省) 

  医療上の必要性に応じて、緊急時は優先するなどして責任を持って対応すると報告を受けている。 

    

 (5)予算補助について 

  (原告団) 

  予算の継続と拡充を確約して欲しい。 

    

  (九州医療センター) 

  私どもは、2年目も1年目並にはもらえるものと信じて計画を立てている。 

    

  (厚生省) 

  予算については、毎年国会で審議されて決まるのだから、理屈から言えば確約 することは困難である。しかし厚生省としては、和解に基づく恒久対策の重みは受け止め、予算措置については継続性を維持するよう最大限努力するのが責務であると認識しているので、この姿勢の表明をもって回答としたい。
国立病院については独立行政法人化しても、政策医療として国立のブロック拠点病院のエイズの医療体制を推進していきたい。 

    

 (6)大学病院関連 

  (広大病院) 

  原告団を交えたこのような場に文部省の代表者を呼んだ方がよいと思う。 

    

  (原告団) 

  国立病院部については、こうした協議の場に出席してもらうことにより、原告の気持ちを肌で感じてもらっている。文部省についても、大学病院特有の問題もあるため、例えば年に2回中央の協議にオブザーバー参加でもしてもらえれば、各ブロックで何を求めているかが分かってもらえると思うので、調整して欲しい。 

    

  (厚生省) 

  各ブロックにおける協議内容については厚生省から文部省に伝えている。本日、文部省参加を求める強い意見があったことを文部省に伝える。 

    

 (7)ブロック内整備について 

  (原告団) 

  ブロック内の臨床医を呼んでの症例検討会等を行う場合、自治体から旅費が出なかったり、非拠点病院へ連絡が行かなかったりという事例がある。厚生省の指導で改善して欲しい。 

    

  (厚生省) 

  ブロック拠点病院には研修会等の案内状は、各病院、県の両方に送付してもらうようお願いしている。国立病院以外の拠点病院の参加費は1/2補助で出ることになるので、県に事前に連絡する必要がある。事前に連絡しても県とうまく調整できないような場合は、エイズ課に連絡してくれれば、指導する旨伝えてあるが、まだ1例もそういう事例は聞いていない。ブロック拠点病院の管理者はブロックによって異なるため、厚生省が全国統一の方法を示すべきではないと考えている。非拠点病院について旅費の補助は1/2補助では出ないが、研修活動の情報が届くようにする必要性は分かる。予算的補助について、当面非拠点病院まで広げることは考えていないが、予防財団などで使える方法があるかということは調べてみたい。 

    

  (原告団) 

  各ブロックで、どのような連絡方法を採っているか調査し、問題があれば厚生省に改善を申し入れることにしたい。 

    

 (8)拠点病院機能評価 

    

  (厚生省) 

  南谷班の一分担研究として平成9年度より開始した。その成果については報告書が提出された段階でお渡しする。吉崎班についてもお渡しする。 

    

  (原告団) 

  報告書の提供を求める。また、全ブロック拠点病院が評価を受けるよう予算措置を含め検討されたい。 

    



 index > 大阪HIV薬害訴訟原告団 > 現在地
 

bottom of page