患者の声

   当事者委員としての私の思い   聞き取りの現場に立ち会って   恩寵と鎮魂   みんな頑張ってますね!

    ―序文にかえて―

   社会参加への一歩    血友病という疾患    ​語り手として、聞き手として   生きなおすことと医師のモラル 

   

 『「生きなおす」ということ』

語り手として、聞き手として

澤田 清信

 今回、語り手・聞き手の両方の立場で調査に参加させて頂き、多くの事を学ぶ事ができました。

インタビューを受けた立場からの感想ですが、インタビューを受ける事で今までの事を振り返る事ができ、自分がどのように生きてきたか、どのような事で悩んできたのか、どのように人と関わり、また接してきたのかを整理する事ができました。
 整理する中で、人生の大半はHIV感染を隠して生きることにすごく必死だったことに気づきました。隠さず生きていこうとしてからは、かなり自分の考え方が変わったと思いました。隠さず生きていこうと思えたのは、医療スタッフ、両親はじめ、家族、親友、原告団の方々、また今まで支えてくださった周りの方のおかげである事、またその事に気づき感謝できるようになった事が大きく変わった事だと思います。隠さず生きていこうとする人生は、まだ隠して生きる人生よりも短く、本当の自分を出すことに不慣れではありますが、感謝を忘れず、両親の介護、仕事、これから先の人生、何事も前向きによい方向に考え、語れる場所があれば語っていく、良き出会いを求めて行く、そうする事でまた人生も変わってくるのではと思っています。

 聞き取りを行った立場からの感想ですが、共感できる事がたくさんありました。
 告知という点からは、「分かっているかもしれないが、娘が成人した時に話そうと思った」という会話から、自分の両親もこのような考えがあったのかなあ。両親はそこまで子どものことを思って生活したのかな。すごく辛かったやろうなあ。と思い、自分のその当時の両親に対する態度にすごく反省しました。

 死生観という点から、血友病の症状、HIVの状況等で、あと何年と思う年数は違っていても、誰しも考えることだと思いました。驚いたのは、遺言書を書いている人のインタビューでした。それについてよく考えると、遺言書を書いている人は、「生きるとは何か、どうやって生きて行こう、何を残そう」みたいな事が浮かび、すごくしんどくなるような気がしました。誰かに伝える事によって少しはしんどさもなくなり、長生きできるのではと思ったりもします。

 結婚に対しては、相手に自分の病気を伝えないといけないこと、相手の両親に伝えないといけないこと、自分がどれだけ生きられるのか等の問題をどうするかを悩んでいる方がおられ、自分と同じなのだなあと思いました。
 
 病気を伝えるということはすごく悩むけど、誰しも人に言えない悩みがあり、それを伝えることができない人も多くいるように思うので、そのハードルは、みんな同じなのかな。と思ったりもします。そのハードルを跳べるように、まず1歩前へ進めるようにして行きたいと思います。

 これからの人生、年齢を重ねる毎にいろいろな問題が出てくると思いますが、一つ一つ乗り越えていけるように前向きに生きて行きたいと思います。

 最後になりますが、今回この調査研究に参加できたことに感謝し、研究者、当事者委員の方々、インタビューを受けて頂いた方々に感謝します。有り難うございました。
 

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